「岳」という漫画を知っていますか?
山岳救助ボランティアが主人公の漫画で、映画化もされました。
その中におばあさんが上高地に行く話があります。
おばあさんが気軽に行ける所なら、おばさんの私も行けるだろうと、
上高地の日帰りバスツアーに申し込みました。
その週続いた大雨が、ツアー当日にやっとやんで何とか決行。
しかし上高地はまだ雨が降っていて、地面もぬかるんでいるので登山靴なら歩けるくらいと
バスガイドが何度も言うので、すっかり歩く気をなくした私。
初心者マークの添乗員(40代男性)が、一緒に大正池から歩きましょうと誘うも
いやいや無理でしょと誰も応じず。
だってあなた、スーツに革靴、肩掛けカバンじゃない。
ビニール傘さして案内されても遭難しそうで不安です。
男気のある方一名が参加を表明し、二人を大正池で下ろしバスは上高地バスターミナルへ。
霧が立ち込め、漫画のような山は見えず。森どころか川沿いの木しか見えない。
梓川は透明で美しいけれど、雨の中30分ほど歩いてうんざりした私は、
素敵なホテルの日帰り入浴に入ることに。
2500円という高級値段にひるんでいたら、
イベリコ豚のコース料理をつけて3000円を提示され即決。
河童の置物とともに露天風呂につかり、イベリコ豚を食べていたら、
いきなり雨がやみ日が差してきました。
いかん、山を見に来たのに何故私は室内に?と、
急いでデザートのチョコレートケーキを口へ押し込み、外へ。
今まで霧で何も見えなかった世界がぱあっと広がり、
雲の間から山が、漫画の主人公の住む山が見えました。
一斉に鳴き始めた鳥の声と、雲間から差し込む日の光。まるで天国です。
いい気分で散歩しお土産を買い込みバスへ戻ると、
初心者添乗員が感極まって話し始めました。
彼らは大正池から明神まで3時間歩いたようです。
初めての上高地に感動している添乗員。
次回はぜひ明神まで歩くようにと言われ、それ、行きのバスで言ってほしかったよと思う私。
でも無事で何より。
おばさん山へ変化する前の、ただのおばさんの私が上高地に行った話でした。
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