丹沢 塔ノ岳 大倉尾根

小田急線

 6~7時間の山歩きになると痛む、膝の筋肉。

何とかしなくてはと、毎日朝晩20回ずつスクワットを開始。

その成果を見てみたいと、思い立った塔ノ岳大倉尾根コース。

通称バカ尾根。

階段も多く、急で長い登山者泣かせのこのコースで、

私の実力を試すことにしました。

 当日はいい天気でしたが、渋沢からのバスはガラガラ。

今日、日曜日だよね。

塔ノ岳って人気の山ではなかったの?

大倉バス停で靴ひもを締め、周りを見渡すと

みんなトレッキングポールを用意しています。

私もザックに入っているけれど、

まずはポールなしでどこまで行けるかやってみましょう。

 塔ノ岳は花が少ないと聞いていたけれど、

標高の低いエリアは花が豊富。

スミレやヤマルリソウが出迎えてくれました。

見晴小屋まではウォーミングアップ。

そこから一気に傾斜がきつくなります。

階段にザレ場、岩場と変化に富んでいて

なかなか楽しい。

これなら何とかなるんではと思っていましたが、

そこはバカ尾根。

花立山荘までの階段がきついのなんの。

汗が強風にさらされ、顔に塩が吹きました。

そんな中、トレランの人がいることに驚き。

大倉尾根を走るとは!

一方白髪頭のご婦人が、ポールを使って一歩一歩登っています。

超人ですね。

私も頑張るぞ。

 階段を登れば絶景が広がり、

黄砂にかすんでいましたが富士山も見えました。

駄目だったらここで引き返す予定でしたが、

足も痛くならないし、何とか頂上まで行かれそうです。

スクワット、効果あるなあ。

右に三ノ塔から続く尾根、左に富士山を見ながら

一歩一歩確実に山頂へ向かう足。

塔ノ岳の山頂標識が視界に入り、

自分の足でここまで到達したことに感動。

登山を初めて3年。

なかなか距離を伸ばせず、

丹沢はもうだめかと諦めていました。

でも、やっとたどり着いた。

 そんな喜びをかみしめている私の前に、

同年代の女性が座っているのが目に入りました。

私が初めて買ったリュック20Lと

同じだなと思って見ていると、

汚れ一つなく新品のようです。

その上、ウエアもパリッとしている。

靴もきれい。

えっ、まさか初心者ですか?

その年で登山を始めて、いきなり塔ノ岳ですか?

そして感動もない顔で、

さっさと下山を開始するではないですか。

好奇心から私は

その方の後ろをついて行くことにしました。

前を行くその女性は、たいして苦労もなく

難しいザレ場をすいすい下りていきます。

姿勢もきれい。

なんか、がっかりだな。私。

高尾山で話していたご婦人の言葉がよみがえる。

私、地上ではすごい人なのに

山に来るとダメな人なのよね。

そう、私も地上では

毎週山に登る超人なのにな。

悔しいから、ポールは最後まで使いませんでした。

でもスクワットのおかげで膝の痛みは起こらず。

山での超人は置いておいて、

私は一歩ずつ進みましょう。

 最後の茶屋を過ぎたあたりで

前を行く団体さんに、

登る時には気付かなかった

ヒトリシズカを教えてもらいました。

咲いたばかりのヒトリシズカ

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました