桜山 ロウバイとトレランおじさま

高崎線

 去年の秋、センブリの花が見たくて咲いている場所を探しました。

目撃情報が多かったのが桜山でしたが、車がないので行かれず。

岩茸山の山頂に咲いているらしいと聞けば登り、

小雨の中、山頂をうろうろするも見つからず。

男衾自然公園では、管理の人が笹を刈る時に一緒に刈ってしまったと聞きガッカリ。

何しろ写真でしか見たことがない花を、山中で探すのは大変なことです。

 年が明け、本庄駅から桜山方面にバスが出ていることを知り、

気が早いですが秋のために一度下見に行くことにしました。

本庄駅でバス停に並ぶと、前にトレラン姿のおじさまが二人。

どこへ行くのかと聞かれ桜山ですと答えると、俺たちも同じだよという返事。

一人のおじさまがもう一人に、一緒に行かないか誘ったら?というのが聞こえました。

自分で誘えばいいのに、シャイなのかしら?

私にはトレランは無理なので断りました。ルートも全然違うし。

何しろセンブリの下見ですから、コース変更はできません。

手前のバス停でお二人が降りるときに手を振り挨拶。

シャイなおじさまはステップを降りるときに、もう一人の方につかまっていました。

ステップもおぼつかないのに、トレランできるのかしら?心配。

 桜山は登りやすい山でしたが、登山口までの車道歩きが長くて閉口。

おじさま方のルートの方がよかったかなあ。

でも無事、センブリ目撃情報の場所も確認できました。

この山は頂上付近まで車で行かれるので、ロウバイを見にたくさんの人がいました。

もちろん桜の季節はすごいんでしょうね。

ロウバイに癒され(香りがいいですよね)山頂を経てトイレに行くと、

なんと先ほどのおじさま二人と遭遇。

お二人はオレンジのゼッケンを着けていました。

トレランの大会に参加したのかとよく見ると、

ゼッケンに伴走者と記載。

そう、シャイなおじさまはシャイなのではなく目が不自由で、

もう一人のおじさまが伴走者として付き添っていたのです。

山を降りた後一杯飲むのが楽しみと笑顔。素敵です。

 その後私は登山道を下山。

車道に出ると後ろからお二人が走って降りてきました。

さっそうと走るお二人にお別れを言って、ゆっくり歩いていたらバスが行ってしまい

(一緒に走るべきだった)

時間つぶしにさらに車道を歩く羽目になりました。

 目が不自由になっても山をあきらめない姿勢に感動。

私も年を重ねて体がいうことを聞かなくなっても、

それなりに山を楽しむ方法を模索しようと思ったのでした。

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