紅葉の白毛門

上越線

 ご飯が炊けました。

登山の日は4:40に炊飯器のタイマーをセットしている。

眠い目をこすりながらおにぎりを作っていると

母が

あなた、何作っているの

山へ持って行くおにぎりを作ってる

と答えたところで目が覚めた。

 母と離れて暮らし始めてから

早30年たつのに

夢に登場するとは。

そしてもちろんおにぎりはできていない。

仕方がないので

寝ぼけたままおにぎりを3個作成。

水筒を用意して準備完了。

だいぶ時間が早いが

家にいると寝てしまいそうなので出発する。

 始発の下り電車は

2種類の人間が大多数を占めている。

ジャージ姿の運動部員と

朝まで飲んで始発を待っていた若者だ。

乗車した場所がグリーン車の隣だったので、

座る場所がなかった。

ドア付近に立っていると、

グリーン車との連結部分のドアが開き

(そこって開くんだ)

若い男がフラフラと入って来た。

作り笑顔の女性乗務員が

フラフラの彼を普通車両に押し込むと、

グリーン車との境にあるドアを閉めた。

どうやら酔っぱらった彼は

グリーン料金の支払いを拒んだようだ。

フラフラな彼は私の向かい側のドア付近に来て

初めは立っていたが

すぐに座り込んでしまった。

朝まで飲んでいたのだろう。

若いねえ。

そう思いながら見ていたら、

私と同じくらいの女性が

あなた、大丈夫?

ここにすわったら?

と席を譲っていた。

優しい!

大丈夫ですと断る若者。

 そして次の駅で

若者が持たれていたドアが開いた。

彼がドアの外に倒れないことを確認して、

かかわりあいたくない私は

一度ホームに降りて

違うドアから再乗車した。

ちょうど席が空いていたので

ラッキーと思い着席。

若者のいたドアの方を見ると、彼がいない。

あれ、降りたのかな?

すると

少々停車します

と車内放送が流れた。

どうやら降りた若者が

ホームをフラフラ歩いているので

発車できない模様。

2分位したら発車したので

影響はなかったが迷惑なことよ。

 でも私も若い時、

自分の飲酒限界がわからず

何度も失敗したよね。

なんだか今日は

昔のことを思い出させるなあ。

急登の白毛門を登るのに

大丈夫かしら。

 高崎駅から上越線に乗車。

こちらはほとんどが登山者だ。

紅葉のシーズン、大人気の谷川岳。

向かいの男性がおにぎりを食べ始めたので、

私も食べることにした。

男性が食べていたのは、

横川の釜めしおにぎり。

高崎駅の売店で購入したらしい。

いいなあ。おいしそう。

帰りに買って帰ろう。

 上越線の車窓から

榛名山が見え始めた。

マムートでコーディネイトした若者が、

車窓の景色をスマホで撮影している。

何度も乗っている私にはに慣れた景色だが、

マムートの彼には新鮮らしい。

そういえば初めて乗った時、

車窓から雪のついた谷川連峰が見えて

すごく驚いたことを思い出した。

上越線の車窓は魅力的だよね。

 水上駅で長岡行きに乗り換える。

suicaが使えないことを車内放送で聞き、

隣のカップルが

一度水上で下りればよかったねと言いながら、

車内改札の車掌さんの列に並んでいた。

私は地元の駅で土合までの乗車券を事前購入済み。

慣れたものです。

 土合駅では沢山の登山者が下車。

さすが紅葉シーズン。

480段の階段を前に

今日の登山開始のゴングが鳴る。

紅葉は始まっているのか?

向かい側にある谷川連峰が見えるのか?

急登に耐えられるのか?

クマに会わないか?

毎回登山の前は少し緊張する。

その緊張が心地いい。

さあ、白毛門に登るぞ!

 

登山の日は朝4:50に起床。

炊飯器のタイマーは4:40。

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