本仁田山 初めての破線ルート

青梅線

 奥多摩の中でも初心者向けと言われている本仁田山。

それはコースタイムが短いからで、

斜面は奥多摩一の急登。

全然初心者向けではないらしい。

今回本仁田山を登る計画を立てたが、

コースタイムが短くて物足りない。

ヤマレコでモデルプランを呼び出すと、

平石山から縦走するコースを発見。

平石山へは急登で踏み跡も不明瞭な破線ルートを通るので

経験者向けとなっていますと記載あり。

経験者とはどのくらいのレベルの人を指すのかな。

まあ、登ってみようじゃないか。

前回のウノタワも不明瞭だったし。

 奥多摩駅から林道を歩き、本仁田山登山口をめざす。

前を同世代のご夫婦が歩いている。

彼らは林道歩きが慣れているようで、

あっという間に見えなくなった。

私は林道歩きが得意ではないので

コースタイム通りに歩くのが精一杯。

いつもどんどん追い抜かされてしまう。

一人さみしく歩いていると、

本仁田山登山口で先ほどの夫婦が

上着を脱いで準備していた。

あなたも本仁田山ですか?

はい、そうです。

でも平石山から登るので

登山口はまだ先みたいです。

そんな登り方があるんですね。

短い会話の後、私は林道をさらに進む。

 破線ルートから始まる道は

看板がないため登山口も不明瞭。

どうやら民家の間にある小さい階段が入口らしい。

東京電力の黄色い杭があったので、

鉄塔をメンテナンスする方用の作業道のようだ。

そのため急斜面に階段が付いていて登りやすい。

破線ルートの中でも初心者向きなのかな。

 その後も植林の中を進むので、落ち葉もなく明瞭。

気持ちよく歩いていると

救急車のサイレンの音が聞こえ始めた。

奥多摩は山際まで民家が続いている。

住民は高齢者も多いだろう。

そんなことを思いながら登っていたら、

急に落葉樹の林に侵入した。

登山道は不明瞭どころか全くわからないので、

とりあえず進路を確認して突っ込む。

落ち葉の下は砂利なので足場が利かない。

ずり落ちながら必死に進む。

チェンスパイクとピッケルが欲しくなる。

これぞ破線ルートという落ち葉の急斜面を登りきると、

岩が沢山現れた。

あー助かった。

岩があると足場が固定され登りやすい。

水道局の杭も現れた。

作業する人がここを登るとは思えないので、

どこかに道があったのか?

 するとヘリコプターの音が響いてきた。

さっきの救急車といい、

どうやら山岳遭難があった模様。

それにしてもヘリの音が近い。

えっ、私を探してないよね。

遭難してないし、ちゃんとヤマレコ通りに進んでるし。

まさか先ほどの夫婦が遭難したのか?

しばらくヘリの音は続いたが、

そのうち聞こえなくなった。

 無事平石山に着き、その後ロープをくぐると

一般登山道に合流した。

そこで先ほどの夫婦にご対面。

ご無事でしたか!

と声をかけられた。

先ほどのヘリコプターの音に

私が遭難したかと思われたようだ。

考えることは同じ。

心配していただいてありがたい。

 本仁田山で休憩してから

鳩ノ巣駅へ下山する。

それにしても一般登山道って

こんなに歩きやすかったのね。

破線ルートを歩いたことで

一般登山道のありがたさを感じる。

すこし成長できたかな。

今年の冬は奥多摩の長沢背稜を中心に

登っていきたい。

頑張るぞ。

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