イワウチワの咲き始める季節になると、
奥久慈へ行きたくなる。
私にとってイワウチワは、
茨城で見る花なのだ。
たぶん最初にイワウチワを見たのが
盛金富士だったからだろう。
今年は亀ケ淵でイワウチワを探そうと計画。
水郡線の西金駅から歩くと時間がかかり、
埼玉から行くと出発が遅すぎて
日が暮れてしまう。
地図を眺めていたら、
竜神大吊橋からハイキングコースがあるのに気が付いた。
そこからなら近い。
朝一番の竜神大吊橋行きのバスに乗るために、
水戸で泊まることにした。
今から思うと水戸に泊まるなら、
西金駅から往復する計画を立てればよかった。
何故大吊橋から歩くレコが載っていないのか、
考えもしなかった。
当日、常陸太田駅から竜神大吊橋行きのバスに乗ったのは、
私とおじさんの二人だけ。
途中のバス停からは
誰一人乗車してこなかった。
この分じゃこの路線バスも
いつ廃止になってもおかしくないなあ。
今のうちに乗っておいてよかった。
そう思って出発したが、
竜神大吊橋を渡ったところで
ハイキングコース立ち入り禁止の看板。
どういう事?
とりあえず吊橋を引き返し、
ベンチに座って考える。
どうやら竜神渓谷は土砂崩れの危険があり、
去年から通行止めになっているらしい。
しかたがないので
乗ってきたバスに乗り込み、
常陸太田駅に引き返すことにした。
何のために水戸に前泊したのか。
頭をフル回転させ、
何とかリベンジをはかる。
亀ケ淵に行きたい気持ちはあったが、
こういう時は初めてのコースを進むのは危険。
今までに行ったことのある山に乗り換えよう。
そうだ、下小川に出て
盛金富士でイワウチワを見ようじゃないか。
あそこなら遅いスタートでも大丈夫。
引き返すバスの中で計画を練り直していたら、
なんと次から次へと
地元の人がバスに乗り込んでくるではないか。
このバスはどうやら、
地元の人の足になっているらしい。
高校生男子も乗ってくるし、
おじいさん、おばあさんも乗り込んでくる。
このバスは水郡線のダイヤと
あっているようで、
みんな常陸太田駅で下車し
10分後の上菅谷行きに乗り込んだ。
車内には若い人が目立つ。
自分で車の運転ができない学生が、
水戸へ遊びに行く手段なんだな。
途中の駅から乗ってくる女子を見て、
あ、バイトの先輩だ
と挨拶していたり。
狭い地域で生活するというのは、
結構堅苦しそうだ。
行動が把握されて
うっとうしいだろう。
こうして東京などの大都市に
若者が出ていくんだな。
上菅谷駅では水戸行きに接続があり、
皆そちらへ行ってしまった。
満員の水戸行きを見送りながら、
1時間来ない下り電車を待つ私。
ベンチで本を読みながら、
私はここで何をしているんだろうと思う。
自分で計画を立てるのは大変だ。
今回、電車とバスの時刻を調べ、
ホテルを予約し
歩くコースをアプリに入れて
登山届まで提出した。
でも、大吊橋のホームページは見ていなかった。
(そこに通行止めのことが記載されていた)
ツアーならこんなことにはならない。
頑張って計画したのにな。
でもこういう失敗の方が、
良い思い出になることを私は知っている。
うまく行った時のことは、
すぐ忘れてしまうのに。
初めて盛金富士に出かけた時、
山を降りたら雨が降ってきて
下小川駅で2時間も水郡線を待ったことは
いまだに覚えている。
水に濡れた桜の花と、
下小川駅の木のぬくもりは
雨のにおいと一緒に
私の脳に焼き付いている。
今回でまた奥久慈は
私の思い出の地となった。
さあ、リベンジだ。
計画を練り直して
いつか亀ケ淵に行くぞ。


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