去年北沢峠から甲斐駒ヶ岳に登った。
今回はその北沢峠から
仙丈ケ岳に登る。
会津駒ケ岳に登った時
知り合ったお兄さんが、
北沢峠で1泊して
甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳に登った話をしていた。
二日目に登った仙丈ケ岳が
長くてとても辛かったと言っていた。
一般的には甲斐駒ヶ岳の方が
コースタイムも長く
岩場もあり辛い印象がある。
一日目の疲れがあって
二日目の仙丈ケ岳が辛かったのだろうと
登るまではそう思っていた。
だから私は今回甘く見ていた。
出だしがゆっくりなのも
計算通りと思っていた。
後ろから登ってくる人を、
次から次へと
脇によけて先に行かせるのも
作戦通りと思っていた。
下山になっても
スピードは全く出ず、
ひたすら脇によけ続ける私。
やっぱり今日は調子が悪い。
今日は、なのか。
これが私の実力ではないのか。
これで来月鳥海山に登れるのか?
キャンセルした方がいいのではないか。
天気は曇り。
稜線上は風も強く、寒い。
暑さでバテたのではない。
花も豊富で絶景。
なのになぜテンションが上がらないのか。
夜行バス一緒だった73歳のご婦人は、
60歳で定年後
山ばかり登っているという。
そこら辺の山は全て登ってしまったので、
今回は渓流釣りをするらしい。
靴も沢用のを履いていた。
73歳になっても
私は夜行バスに乗れるんだろうか。
寝不足でも
山に登ることが出来るのか。
北沢峠から乗った帰りのバスで、
疲れ果てて眠ってしまった。
その際膝上に置いた私のザックが
隣のおばさんに
当たったのだろう。
黙ってザックを押し返された。
すみません、と謝る。
が、無言。
そういえば席に座る時
隣いいですかと聞いたのに
返事がなかった。
なんだか
私自身のすべてが否定された感じがした。
戸台パークに着いて
逃げるようにバスを降りる。
運転手さんに
ありがとうございました
とお礼を言うと、
後ろにいた隣のおばさんも
お世話になりました
と運転手さんには愛想がいい。
私には無言だったくせに。
二度と南アルプスになんてくるもんか。
うまく歩けなかった仙丈ケ岳と、
そのおばさんのせいで
嫌な気分のまま帰宅。
次の日動画編集をして驚く。
すばらしい景色。
豊富な花々。
透き通った冷たい水。
何で私はこの山で
嫌な思いが出来たのか?
二度と南アルプスには行かないって
そんなことが思えたのか。
うまく歩けなくてもいいじゃないか。
ちゃんと登頂して
無事に下山できた。
それだけでいいじゃないか。
もっと仙丈ケ岳を楽しめばよかった。
鳥海山だって
山頂に行くことが出来なくても、
鳥海湖のほとりを散策するだけでも
きっと素晴らしい思い出になる。
年を重ねて
高い山に登れなくなっても、
きっと山はいつまでも私の
生きる糧であり続ける。
来年またリベンジ登山で
仙丈ケ岳に登ろう。
そして夜行バスが辛くなったら
宿に泊まろう。
山はいつまでも
どんな状態の私でも
きっと受け入れてくれるから。


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